◆about◆
内容のすばらしさに敬意を表しつつ、既刊コミックス類と無用とも言える比較検討つっこみを雑に展開させています。
このトレジャーボックス無くして、どろろの真の姿は味わい尽くせない!!!



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管理人:もももり



#25 三巻"無情岬"5。

"無情岬の巻"サンデー版クライマックス!!も今回でお終い。
涙。

時々、記憶をまっさらにして、もういっぺん最初からどろろを読めたらいいなぁとマジに思います!
(ま、他にもそういう作品とかあるよね、笑)
うーん、デビルマン...。

◆無情岬の巻 6〜7

◇カットされているトビラ
・"無情岬" 6 タイトルロゴと、点描風の石仏数体。程々不気味。
・"無情岬" 7 タイトルロゴとその背景に火の玉がたなびいているような螺旋。

6の方は、次の頁の百鬼丸が伸びをして(?)叫んでいるコマの隣、1コマ目に「ど」の字(ロゴ)が入っていた。
差し替えられているものの、微妙な違和感はその為。


◇編集カットされているシーン、セリフの変更

6の方はほんの少し言い回しが変わっている程度。
最終頁で真久和忠兵衛登場シーンから改変が結構出る。

・岬に上陸して来た真久和達のシーン。
真久和「のぼれ!! ひるむな!!」
「いちばんに宝をみつけた者には銀十枚をあたえる!!」
百「だれだ おまえは」(これは同じ)
真「醍醐景光さまの側近 真久和忠兵衛...... 上意により この岬を検分いたす こじきふぜいはひっこんでおれ!!」

醍醐の命令で来ているというのをはっきりとアピール。
より緊迫感があったのにねー、この設定。
そして、あにきは早速「こじき」と言われ......。

ここで6は終わり。

・百鬼丸と真久和の対峙シーン、やはりセリフが違う。
百「みんな どうしたんだい? いくさでもおっぱじまるのかい? 目の色をかえてやがる」
真「こじき!! ここは醍醐さまの命により検分をする岬だ そうそうにたちのけい!!」
百「醍醐景光......」
「そいつが...この岬になんの用があるんだい?」
真「うるさい!!」
「つべこべぬかさず とっとと岬をでろ!! じゃまだてするとためにならんぞ!!」
中略
百「おれはなあ さむらいというやつをみると ゲっとむかつくんだ」(ここも同じ)
「むかし おれの目のまえでこどもたちとみお(傍点)という女をころしやがった」
「かえんな!! これいじょうおれをおこらせるなよ」
真「醍醐さまを何と心得る? 筆頭家老さまだぞ!!」
百「醍醐景光はそんなにえらくなったのか」
「おれはあったことがあるよ だが すきになれなかったよ はっきりいって大きらいだよ」
真「なにをーっ!!」
百「醍醐にこういいな ......おまえさんは むすこをなくしたけど そのまえに もっとだいじなものをなくしてらとね」
真「気ちがいとは問答無用だ!! 切れい!!」
「おれがこの岬にいるかぎり ほかのやつらには いっさい足をふみこませねえ」

単行本では、野盗が入り込んだからと...きれいに直してあるものの、初出の方がどうしても良かった~!と駄々こねたくなるんですけど...。
どろろに語って聞かせた自分の生い立ち以降で、全く登場しなかったみおのことをぽろっと言っているところも、醍醐を大きらいだと言ってのけるところも人間くさすぎるあにきがとてもいいのにぃ!!
(「むすこ」とは、多宝丸のことかそれとも自分のことか? 
気になる!)
それで、どろろの宝を護る気満々で啖呵切るところも!!
最終回の盛り上がりで見せ場のひとつだったのにー!
単行本、つくづく残念......。

・乱闘シーンや宝が無かったところなどほぼ変更は無しで進み、死屍累々の中、どろろが百鬼丸の元へ戻る最終シーン。
これは、私の持っている"サンデーコミックス(秋田書店)"がダメなのだけれども...怒。
って、いちばん最近に出た"手塚治虫文庫全集(講談社)"もダメだった。
上記二種でも微妙にセリフが違ってたりする、何とも罪な変更で、初出と同じ版もあるのだけれども記録しておこう!

百「どろろ けがはなかったか?」
ど「イタチが死んじゃった」
「おとっちゃんのうめたお金もなかったよ べつの所なんだ」
百「そうだったのか...」
「元気をだせ!! なんだメソメソして おまえらしくもねえ」
「またべつの所をさがすさ......」
ど「ヘン!! 金なんかいらねえぞ!!」
「おいらのほしいのは その刀だけだよう!!」
「あにき おいらにあまったれて ゆだんするな!!」
百「ゆだんなどしていない」
「おれはただものずきで おまえと旅してるだけだぜ」
ど「へっ おいらもだ!!」
百「だろうな」
「どろろ いこう」

これのどこが悪くて変更したんだあぁぁぁぁーーーー!!!
号泣。
単行本の吹き出しをミスノン(マンガ用ホワイト修正液)で塗りつぶして変えてしまおうか...とか。
やはり冒険王版に合わせたのだろうか......。

「イタチが死んじゃった」のとこ↓
あまったれ2.jpg
角度を変えて描こうとしたけど、結局同じような...。

・ラストの岬と海と水平線の左上にナレーション風に言葉が入っていた。

「どろろと百鬼丸は
どこへ?
ふたりののぞみは
いつの日かなうのか? 
二人は風の中へ消えていく‥‥」

枠外
「どろろ」第一部・完......手塚治虫先生、ながい間、ありがとうございました。

夜を徹した戦いの果て、朝陽は描かれていないけれど(富山の蜃気楼らしき描写があるからそれからすると、日本海側では朝陽は水平線に昇らないだろう、多分)朝の光の中、二人がまた旅立つ......。
佳い終わりじゃないですかー!!!

それで、ここではきっちりと「第一部・完」となっている。
ほんと、続きあって当たり前な感じでの終了だった。
そうか、もしかしたらあにきの足に家出(笑)させたのは布石だったのかもしれない...???
でも、どうなったのかはあの通り。
まあそれはいいや。

とにかく、この無情岬は、私の中ではどろろ作中で傑出しているのだった。
と、この文を書いていて改めて胸熱過ぎ......。