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今回のタイトル、困った!
苦笑。


◆サブタイトル無し1〜7 無残貼1、無し8
百鬼丸の巻6の次に7が来るかと思ったら、なぜか無くなってる。
そして、コミックスで"金小僧""万代""人面瘡"の巻にあたる所は全部無題。
無残貼2は、多分付け忘れたんだろうな...。


◇用語の変更
1巻の中~後半は、あまり大きな変更は無い。
でも、ことごとく差別用語はカットまたは変更されてる。

琵琶法師との出会いのシーンでも、やっぱりあった「めくら」。
自分の事を、おっさん(あにきも)はこう言っている。
しかし、「座頭」はコミックスでそのままだから、これは良い訳なのかー、うーん?

もっと後ろの方だけれど、万代村で村人に捕まったどろろが「キチガイーッ!」とかも。
これは今は、「基地外」とかで誤摩化すよね、苦笑。


◇カットされている扉絵頁(数字のみだと場所不明ゆえ簡単な説明)

・"? 1" 貴重な!カラートビラ
(コンビ結成!、迄)
・"? 2" 見開き 仕込み刀振るっている百鬼丸とどろろ
(井戸から手が...迄)
・"? 3" 見開き 百鬼丸アップとどろろ
(金小贈登場迄)
・"? 4" ロゴと万代(?)の目のアップ
(布を巻き付ける万代迄)
・"? 5" 見開き 百鬼丸と村の衆
(しっぽに万代が!迄)
・"? 6" 大きなロゴと逆立ちしてるどろろ
(「どろろー、死んだのか?」迄)
・"? 7" 鐘付き棒で突かれる万代と百鬼丸とどろろ
(百鬼丸の刀と義手が落ちた迄)
・"無残貼 1" 見開き 右腕を抑える百鬼丸とどろろ
・"? 8" 腕組みして荒野に立つ百鬼丸とどろろ 

1のカラー絵、妖怪の青いシルエットの向こうに、百鬼丸とどろろ。
妖怪は、ガマクジラのプロトタイプっぽいよ。
こんな風に流れが判るのはいい!
どろろがあにきにしがみつき(?)、あにきも護るようにしている絵。
(こういうの見ると、どろろはやはり女の子設定で伏線張ってたんじゃん!と)
見た事はあったが、あまりメジャー絵でないのがもったいない!

4の万代村で村人と協力して妖怪退治...というシーンの見開きトビラのあにきが...黒目がち~、汗。

↓うろ覚えの再現。
何でうろ覚えかっていえば、本を開いて描くのがしんどいから、苦笑。

黒目がちのつっこみ.jpg

7、万代様を鐘楼まで追い詰めたところでは、見開きで鐘に登っている万代様と、その下でどろろを気遣いながら様子を窺っている(?)あにきが。
これは載せて欲しかったわ~!
せっかくの迫力なのに。

無残貼1、右手が生えてくるところもインパクトがあっていい!
秋田書店のサンデーコミックスで、あにきは「ぬえの巻」、どろろは顔が修正され「二ひきのサメ」のトビラにカットとして転用されている。
どろろの顔は確かに、手塚先生眠かったのだろうか?みたいに別人っぽくなっているけれど、このトビラも何でカットしたん!?というもったいなさ加減。

サブタイトル無しの無残貼2のカラー絵は、割と良く見かける。
って、この1巻の表紙じゃないの、笑。


◇欄外
・「どろろファンコーナー」
というのがあって感想や手塚先生への希望や質問を!と。
うわああー、ハガキ出したい~~~!!!
現在進行形だったら、嫌がらせかい?みたいに送り付けそうだなぁ、苦笑。

うん、希望は......なんか書いても今更だな、苦笑。
でも、タイムマシンとかリープで過去に戻れたのなら、
「お願いですから、納得いく終わり方で完結させて下さい!!!」
とねぇ。
全く、今更だよ。

・どろろが万代様に捕まり失神しているところでこんなのが↓
「がんばれ、どろろ!! 目をあけて、立ちあがれ!!」
......ムリだろ。


◇頁やセリフなどのカットや変更

・4の、竹林で座っている金小僧に1頁丸ごと使っているのがコミックスでは無い。
別にカットしなくてもいいじゃん、これー。
金小さんファン(笑)以外と多いのにねぇ。

・万代が正体を現した時の百鬼丸のつっこみのセリフ変更部分。
「化性(けしょう)」
→「妖怪」。
化性の方が古風で好み〜!
おりしも、"手塚×石ノ森 マンガの力展"開催中で、運良くそれを観に行かれたのだけれども、唯一展示されていたどろろの原稿部分4頁はこの辺だった!
ふきだし部分に貼られた写植の下の鉛筆文字がこの「化性(ルビ付き)」で、何か感動!だったよ。

・名前が変わってた!
「ガマナメクジ」
→「ガマクジラ」
元はナメクジだったとは!
確かに、クジラなの?とは感じてたよ、笑。
でも何で変えたんだろう、或いはちょっとした間違い?

・「無残貼」宴会シーンのお自夜イタチをいさめるところ。
「みじめな水呑百姓」
→「みじめな苦しかった」
水呑百姓もいけないの〜?
まあ、確かに身分制度の言葉だが、うーん。

・どろろがあにきの刀を盗んでやると言っている所や、"無残貼2"のあらすじが入っている所とか、コマがいまひとつだったんだろうなあというところが修正されているよ。
冒頭のあらすじには、ちまちまカットが入っていたりしたのを、付け足して大きなひとコマとしている箇所が多い。
手塚先生はすご技切り貼り師だったという!

☆1巻は、火袋が代官屋敷を壊しお自夜とどろろを逃したたところまで。

あー、やっと1巻終わり♪
まだ続きますよ〜、もちろん♪

手に油分が足りないからクリームとかつけたいんだけれども、油っぽい手で本を触るのは厳禁だし。
(絵を描いてる時やPC作業中も、もちろん気をつけてるけど)

というわけで、手をカサカサさせつつ、続き〜♪


◆百鬼丸の巻4〜6


◇欄外
すっ飛ばしてたけれど、いつの間にか枠外のコピーが
「異色の時代まんが」に。
連載二回目からこれに変わっていました。
ホラーじゃない事に編集が気づいたのか、手塚先生側から要請があったのか?
とはいえ、「時代まんが」なんていう硬いジャンルで、いいの???
......どーでもいいつっこみだし、汗。


◇カットされているあらすじ
百鬼丸がどろろに目玉拾ってみろというシーンの上に、これまでのあらすじが。  
コミックス版をよーーーく見ると、背景の樹の上部を描き足したつなぎ目が判るよ。

このあらすじの最後の部分
「百鬼丸のあとをおったどろろは 百鬼丸の目が顔からとびだすのをみたのだった」
となってる。
これ、全く知らない人がいきなり読んだら、どんな想像すんだろ???

...と、絵にしようと描き出したんだけれども、何かアレなのでうやむやにしときました↓

目玉のつっこみ2.jpg

すげーいい加減な、苦笑。

◇セリフやコマの変更

・百鬼丸が耳を取って、自分の解説(?)しているところのセリフが違う。
ど「ば.........ばけもん..................」
百「ばけものか...たしかにそういえばそのとおりだ」
「ちいさいときは まあ...人間じゃなかったな」

コミックスの方がソフトだねー。
まあ、ばけものという反応の方がより素直かもしんない。
それから、あにきは開き直っるっていうか達観してる。
変えたのはあんまりだから?
でも、どっちでもいけると私は思うな。

・寿海が手術するとこのひとコマ目に
「日本のいちばん長い日 封切り」
というのが描き文字で入ってる。
まあよくある手塚先生のジョークっぽいやつ。
これはいまいちだと判断したのか、ベタで塗りつぶされてる。


◇カットされている扉絵頁

・"百鬼丸の巻4" タイトルのみ
・"百鬼丸の巻5" 寿海宅にやって来た妖怪の見開き
・"百鬼丸の巻6" 劇画調(?)百鬼丸のアップ(どっかで見た事ある)

妖怪絵は、まるで水木しげる先生のまんがに出て来そうな(でももっと柔らかい感じ)雰囲気。
これがあると、より一層診察を受ける女性とのギャップが出ていいのになーーーー。


ーーうん、先は長いわ。
笑。
今回はこれにて☆

◆百鬼丸の巻1〜3
場所により書く濃度にムラがあるから、章ごとに分けないで進めてます!
今回は、1のお終いから。


◇欄外
16頁目にしてやっとタイトル(扉絵)が現れたその次の頁は、もちろん成長した百鬼丸の登場シーンなんだけれども、はっきり言って「おい!」と言いたくなるのはこの欄外の説明文。
「荒野のかなたからきた少年!! この少年こそは、川に流された赤ん坊の、十数年後の姿だ!!」
あのーーー。
まあ、流れからいってそうだと予測出来るだろうけど、書いちゃダメだろうが、これは。
...編集、無能なの?


◇言葉の変更

・百鬼丸登場~どろろとの出会いのシーン、変更は殆ど無いけれど、印象的なのは「こじき」という言葉が出てくるところ。
コミックスではこれ、悉くカットされている。

こじきというのはまあ、あにきもあれだけボロボロのカッコしてたし、戦乱の中の平民の様のリアリティというものか。
それを絵だけでなく、単語でも言い表していたのにねー。
こじきもそんなにいけない事なのか???


ちょい余談。
wikiにあったあにきの説明で
(これ、インパクトありすぎなんだけど、汗)
"貧相な着物を着ている"って、「要するにこういう設定なんだからさーいちいち書かないでいいよ」とかぼやきたくなる、苦笑。


・どろろを拾うところでは、「こじきざむらい」とモブのおっさんたちから言われ、でもおっさんたちも自分らを「コジキ」とか「コジキ部落」だの名乗っている。
「部落」は、意味合いによっては微妙だけれども、でも集落の別称で言うし、そんなに悪いか!?
つまりは、言葉狩りで文句を付けられるのを恐れたんだなー、多分。


また余談。
差別用語っぽいものを下手に使うと、編集部にコワい人たちからクレームが付けられるとか。
だから、編集はそんな大した事ではない表現をもNGを出す事もしたらしい...よ。
...って、ここ大丈夫か!?
汗。
辺境だし、設定で各RSSに上がらないようにしてあるし、HTMLタグ仕込んであるからぐるぐるボットちゃんとか回って来てないし、多分大丈夫......!?



・そして、これは別に発見じゃないけれど、大発見に等しい事。
ついてくんなとあしらわれてたどろろが百鬼丸に向かってついた悪態のひとつに
「フンドシコジキ」
というのが!!

いやぁ、何て言うか、凄い表現!!
どんなんだよ、それ~~~!
でも、愛嬌あってかわいいよ、カットしたのは残念!
どろろが言うと尚更かわいい!

fundosikojiki.jpg


◇扉絵頁のカット
うーん、こじきの事ばっかりになったけれど(苦笑)、コミックスは扉絵も悉くカットされているのだった。

・"百鬼丸の巻1"  タイトルのみ 
・"百鬼丸の巻2"  タイトルのみ
・"百鬼丸の巻3"  どろろを傷めつけていたおっさんがゴミ妖怪にご対面している見開き  

1と2は、「どろろ」のタイトルロゴ(?)というか描き文字のみだから、まあいいような気もしなくもないけれど、でも読み進めて行くにはこの前のエントリでも書いた通り、あった方がかっこいいし気分も出る。
ゆえに、どれもこれもカットして欲しくなかったというもの。
3は、まあ、誰得?な絵ではあるけれども、あった方がねー。


じゃ、今回はこれでお終い☆

前置き長々でしたが、やっと始めます!

宝箱一巻!.jpg

◆1巻
少年サンデー 1967年8月27日号〜12月3日号


◇おまけ的なもの
冒頭、連載が始まる前の予告カットがサービス。
(私は、これ知っていたんだけれど)
あにきとどろろの絵の横に、タイトルと「傑作時代恐怖まんが」とか書かれている。

まだキャラを描き慣れていなくて、二人共こういう感じに進まなくてよかったなあ...(苦笑)という雰囲気。
しかし、これ初めて見た時に、もしかしてあにきが女の子設定だったのだろうか?と思ったのだった。
手の感じとか......。
どろろは顎が強調されていて、女の子にしてはごついんじゃないの〜......という感じだし。
とはいえ、気のせいかもしんないので、あんまり気にしないで下さい、汗。


じゃ、本編スタート!

◆百鬼丸の巻1


◇欄外
この本は復刻版だから、連載当時の体裁を可能な限り(だと思うけど)忠実に再現している。
よって、週刊誌によくある欄外もどろろ関連はきちんと入っているのだった!
(けっこうちまちまとあるんだけれど、さすがに全部は無理なので、つっこみどころだけでご勘弁を!)

先ず、1頁目の天(上部)の方
「新連載 手塚先生の時代恐怖まんが」とある。
編集がつけたんだろうけれど、「恐怖まんが」ですかー。

確かにそういう要素はあるしそれでもいいかなぁ?
うーん、でも「恐怖」って、つのだじろう先生とか楳図かずお先生とか、どうしてもああいうホラーが思い浮かぶんですけど、笑。
これはもしかしたら、編集との打ち合わせの段階でそうだったのかもなー???、と想像。

...いきなりそれたけれど、ほんとにここから本編!


◇頁の編集
地獄堂のシーンは、ちょこちょこと変更がされている。
(変更したのは、当然コミックスの方だけど)
上人殿に案内されて魔神像の前に景光が座るところまではそのままだけれども、その後の3頁分がコミックスでは5頁に拡張。

よくよく見れば、景光の顔の感じや、モノクロだけれど薄墨が使われている(元はカラー)から、注意すれば冒険王版から巧く持って来た差し替え分が判るよ。

大筋で話の流れに変更は無いけれど細かい相違点は以下。

・景光のセリフで「20年もつとめている安サラリーマン」というのが、何か改めて、そうだったんだ...という認識でした。
これがカットされたコミックス版では、もう少し高い地位のような感じがずっとしてたから。

・なぜか既に、あさって生まれる予定の子供を「むすこ」と言ってる。
何で知ってんだ、おやじ......。

・バッテンが雷でなく、強風に倒れて昏倒して目が醒めたら出来てた。
意識不明の間に書かれちゃったんですか?


◇NG用語の変更
時代的にオッケーだった今では差別用語として使用していない単語が、ここらから出て来ている。

・四十八の魔蔵の彫刻師の説明のところの上人殿
「気が狂って」
→「気が変になって」
・妻を説き伏せるところの景光のこの一言はカット
「手も使えないカタワ」

※私としては、こういう用語自体を差別とする方が、それを特別視し禁忌とした時点で差別になってしまうのではなかろうか?という観点を自分で持っているので、伏せ字しません。
言葉狩りするよりも、込められた意図に気を付けた方がいいと思っています。
(大体、うちの亡き祖父母なんて普通に使ってたしねー)
不快を感じられる方は、申し訳ありませんがお読みにならないでいただければと思います。


◇頁の差し替え。
赤ん坊をたらいで流すシーン1頁丸ごと、冒険王版で使ったコマを巧く編集して構成してある。

・この差し替えによりカットされたコマに、赤ん坊をたらいで流すシーンで侍女二人の会話がある。
「オギャアもいわない」
「いえないんだよ あの口じゃあ むりだねえ」
しかしこの会話、あった方がいいなぁ、重いけど。


◇章タイトルが「第一部 百鬼丸 その1」
赤ん坊がたらいで流されたその次の頁でやっと扉(どろろのロゴのみ)が入る。
導入部の持っていき方としては、やはりタイトルはここでがかっこいいよね〜!
映像作品のアバン的で、これを採用して欲しいわ!

コミックスは、扉の前まで「発端の巻」と付けている。
素っ気無い後付けの扉よりも連載そのままの方が、これ以降でもよっぽど良い感じ。

ちなみに、PS2ゲームも最初は「序章 百鬼丸」。


......この始まりだけでも、読み込んでいれば違いが判る筈!
某あまぞんレビュウでは☆4とかつけられてるけど、そんなあっさりしたもんかよ!と私はちょっとね、笑。
こんなに色々いじってるじゃん!と、ひたすらわくわくしてしまったのだった。

----はい、今日はここまで。
って、こんなに細々書いてたら、また途中挫折しそうだし、滝汗。
ムダなつっこみ多いわ、汗。


◆about◆
内容のすばらしさに敬意を表しつつ、既刊コミックス類と無用とも言える比較検討つっこみを雑に展開させています。
このトレジャーボックス無くして、どろろの真の姿は味わい尽くせない!!!



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管理人:もももり