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◆白面不動3

......はい、白面不動の終了部まで行ってました。
この話の発端は、百鬼丸自身の問題からコンビ解消を一方的にどろろに言い渡したわけなんだけれども、それも一山ありあっさりと元の鞘に収まって、めでたし!な締めでした。
そう、どろろは全然悪くないのにねぇ...とか、その辺は趣旨が外れるから置いておいて...。


◇セリフの変更が少々。

・先に行ってしまった百鬼丸をどろろが追いかけて、追いついたところ。
ど「チェ!! へんなとこから かおだすない!!
だいいちそこは わくの外じゃないか!!」
百「わくの外だろうが中だろうが よけいなおせわだ!! おまえこそ............」(ここでコマが変わっている)
「なぜきた!!
おまえおれがきらいなんだろう(中略)」
ど「あー きらいだ だいっきらいだ テンカンおこすくらいきらいだ」

ど「チェ!! 変なとこにかくれていやがって......
もう行っちまったかと思ったい」
百「おれが行こうが行くまいが 
よけいなおせわだ!! おまえこそ」
「なぜきた!!
おまえおれがきらいなんだろう(中略)」
ど「あー きらいだ だいっきらいだ だいだいだい だいっきらいだ」

「わく」って非常にマンガらしい表現から妥当な表現に替えたのはいいとして、やはりテンカンはまずかったから替えるのは当然だったかも。

また逸れるけれども、変更無しで中略したあにきのセリフが個人的にメガヒットな萌えどころなんですけど。
それにまたがるこのシーンは、ダブルツンデレの威力フルパワー発揮で、永年連れ添った夫婦のセリフのようで、ここだけ拾い上げたら「どろろって時代物のラブコメ」?と思わせるだろうな...とずっと思ってたし。
笑。

無理矢理ひとコマに納めてみたよ。
どろろのセリフはちと変えた。

Wツン.jpg


◇コミックスによって別ヴァージョンありの変更部分

このまとめの頭あたりに書いたけれども、私は秋田書店の"サンディコミックス"を最初に買ったのでした。
(散々見倒しているから、少々くたびれてきたなー)

このサンディコミックス版だと、どろろが百鬼丸についていくところで"白面不動の巻"が終了し、"みどろの巻"となってる......。
汗。

順番が違うというのは何となく知ってはいたけれども、結局こういう順番で読んでしまっていた。
サンディ版
("サンデー"と"サンディ"は違うからね! ややこしいけど)
百鬼丸は、とっくにどろろの背中の地図の事を知っている("妖刀の巻"のラスト)設定なわけね。

だから、"ばんもん"のところで書き落としたけど(汗)、サンディ版では早々にどろろをひっぺがし強制水浴びさせているのに、どうして風呂に入ってない期間が四年なの?とか、それも疑問だった。
これは、サンディ版の順番の混乱(?)のせいだった。

それで、やっと復刻版本編との比較に戻るけれども、サンディ版の白面不動の巻は上記の通りコンビ復活のところで終わりで、以後の
"琵琶法師の前で投石で鴨を仕留めるるどろろ~悪口(?)に反応し百鬼丸が強制水浴びさせようとする"
までが完全にカットされているのだった。

(サンディ版は、百鬼丸が目を取り戻した後さしかかった川で一人水浴びし、お須志にやきもち灼き石投げている最中に
[橋が壊れて川に落ちる](←これのみがサンディ版での付け足し)
そこでどろろの背中が!という風に差し替え)

違うとは知っていたけれども、文庫版などでこのシーンを目にした時は
「えええ、そう来るんだーーー」となりましたよ、そりゃ。

まあそんなだから更には、"みどろの巻"でまたあにきがどろろを置いて行くだの何だのていう展開に、かなり残念な感覚も覚えていたのだった。

それは当然の感じ方で、少年サンデー版にいきなり差し挟まれた冒険王版なんだもんね。
この辺の事情が判らないと、この主人公たちの心情を追う上でツラいわ!!
でも、普通知らないで読んでいると手塚先生のトリックにそのまんま......。

きっと、コミックスとして出版する時に頁の都合とかそういう理由でこうなったのだろうと思うけれども、残念な事には変わりないよねー。

サンデイコミックスは、文庫版よりもひとまわり大きいからそれはいいところなんだけれども、1巻のおまけ作品といい、掲載順番の変更といい、無情岬のセリフの改ざん(敢えて"改ざん")といい、微妙だな......。
って、宝箱入手以来、どれも微妙だよ!!!

というところで、何か話が脱線気味だけれども(あ、毎度か、笑)2巻はどろろの背中にびっくりするあにきのコマで終了でした☆
...いや、このコマというか、ここのどろろのセクシーさってやゔぁいでしょ!!と、本が大きい分尚更迫力あるよん!

じゃ、続く♪
次回からいよいよ3巻突入!

◆ばんもんの巻7〜白面不動3

PS2ゲームでも緊迫感が良く出ていて、見所のひとつな、醍醐景光の追っ手を返り討ちにするあにきのシーン、ほんの3頁なのがやっぱり信じられないと思いつつ♪


◇カットされているトビラ絵
・"ばんもん7" タイトルロゴと、手型と足形。
ロゴのトビラは、正直時々「?」と思う...。
・"白面不動1" 見開き、後述↓
・"白面不動2" 不動のアップ
・"白面不動3" 頁を横に使い、白地にタイトルのみ


◇セリフの変更
・どろろに百鬼丸が冷たく当たるところ
百「おまえとのつきあいは もうあきたといってるんだよ」
 「行けっ」
 「行かねえかっ!!」 
ど「へん おいらだって あにきとなんかつきあいたかねえ!! 
ただ刀がほしいから つきあってるだけだい!!」
「かんちがいしちゃ こまるぜ!!
 あにきにはべつに なーんのみりょくもねえんだぜ!!」

百「おまえにゃ おまえの道があらあ」
 「行けっ」
 「行かねえかっ!!」 
ど「へん おいらだって あにきになんかみりょくねえよ
 ほしいのは刀だけだいっ」
 「わかれるなら センベツぐらいくれたらどうなんだ」

元の方が微妙なニュアンスで心情的だったのに対し、変更後は打算的に。
これも、冒険王版を足してくっつけた影響での修正だろうか、涙。


◇頁の順番と変更、カットされた頁

・「白面不動の巻」へのつなぎ部分が多少入れ替わっていた。
[オリジナルの連載版]
どろろ泣く~偽母登場~百鬼丸、死のうとしたところを琵琶法師に止められる~次号
(ここから「白面不動の巻①」)どろろ驚く~おにぎり貰った後に偽母についていく~琵琶法師と百鬼丸が連れ立っている

[コミックス]
どろろ泣く~偽母登場~おにぎり貰った後に偽母についていく~百鬼丸、死のうとしたところを琵琶法師に止められる~琵琶法師と百鬼丸が連れ立っている

よりすっきりさせる為なのか、どろろパートと百鬼丸パートをそれぞれまとめてしまったのね。

初出の「どろろ驚く」のところは、また残念ながら扉絵含めて3頁もカットされてる。
まず偽母にどろろが振り返って「おっかちゃん」と驚いている1頁絵。
それから、見開きモノクロ扉、セリフつき。
ど「おばちゃん...おっかちゃんにそっくりだ......
 うん ほんとに生きかえったみたいだぜ!!」
母「ホホホホ... そんなにわたしが あんたのかあさんににているのかぇ?」

毎度、散々もったいないわー!
テンポは良くなっているけど、あった方がインパクトは出るよなぁ。

それから、この復刻読むまでは、あにきが「死霊が居た」とか言ってるのが、どろろの偽母だったというのにあまりつながっていなかった。
(私が阿呆なせいか...苦笑)
でも初出、偽母とどろろが退場した後に、同じ松(?)の樹のある場面におっさんとあにきが登場する事によってシーンの連続性が明確になっていたのだった。
あにきが感じ取った死霊の気配は偽母だったのかと、はっきり判ったし。
つまりは、また余計な編集を......涙。
手塚先生ごめんなさい、汗。

お兄さんは心配性
白面のツンデレ.jpg

・コマの縮小
白面不動との対決シーンで号が切り替わっていて、「白面不動3」の冒頭で頁をまたいで大ゴマになっているのが縮まっている。
左頁の不動が水流してきたコマとまとめて1頁としている。
どろろが岩にしがみついて百鬼丸に注意喚起しているコマが元は大きかった。
ここの左部分の啖呵切っている百鬼丸が惜しくもカット、泣。
それから、白面不動は絵だけ残しセリフもカット。

白「きさまのかおをとってやる...いますぐ とってやる ...みておれ!! わがちからを......」
百「行くぞ!! インチキ不動!!」

このあにき、なかなかいい絵なのになあ......切らなくったってぇ......。


*この辺りを連載している最中に「別冊少年サンデー」というのが出ていて(まだあるのだろうか?)それはどろろの特集だったという。
お値段は130円だってー!
欲しいよ~~~!!
今、古本で幾らつくんだろうな?

どろろは人気が今ひとつだったから連載中断されたという説が通っているけれど、別冊で特集組まれたり、巻頭で描き下ろしのカラーイラストが付いたりしたのに、本当に人気がそんなでもなかったのだろうか?
と、どこかで読んだ事もあるけれど、まさにそう思ったし。

当時の状況は判らないが、別冊や描き下ろしは手塚先生だからの事で、どろろの作品自体への事ではなかった...という事もまああり得るかな?

しかし、人気がどうであれ、サンデー版はほんとにすばらしいわ!!!
この白面不動のエピソードにおけるツンデレっぷりは、まあコミックスでも堪能出来るけど☆
と、今回も噛み締めたところで、続く~♪

◆ばんもんの巻6

◇カットされているトビラ絵
・"ばんもん6"
刀を持ち仕込み刀も構える百鬼丸。
絵的にもかっこ良く、iPhoneケースとかグッズにも使用されているもの。

コミックスでは"愛憎"に改題されている。
そして、前回の連載は景光が争いをやめさせろ!という所で"続き"になっていて、これ連載形式で読んでたら悶えるわ、笑。


◇セリフの変更、差別用語ばっかのたまう若様
知ってたけど、ほんとに多宝丸は散々百鬼丸をこけにしてる。

*余談
アニメ版では、ほぼこれに近いセリフ使いが観られるが、多宝丸の死に際は何かね......そこまでするの......っていう。
(これも、割と話題になってるよね)
多分、故出崎さんだったと思ったけれど(違ってたらすみません)、それをそれとなく誇らしげに語っていたような記憶が......うーん。
個人的に、必要以上の痛みの部分のクローズアップはどうよ?と思う......ヘタレな昭和ジェネレーション、苦笑。
私が、アニメ版あんまり好かん理由はこういう所にもあるのだった。
極めつけは最終回のオチだけども。
だから1回観たっきりだし。
...アニメ版お好きな方、大変ごめんなさい。

・本題戻って、兄弟争い勃発の時のセリフが
「めっかちのかたわものめっ!!」
→「なまいきな浮浪児め」

"めっかち"って、それは自分の事だよね、弟よ...。
しかし、あにきは反応してはいるけれども、決して多宝丸に暴言は吐いてないんだよ、ここで。
弟はたいてい"かたわ"だのののしってるのに。

(ふきだしの中身のバランスが悪いような箇所は、セリフ変えられた所かもと、想像してコミックスを読むと面白いかも?)

・指しで勝負時の多宝丸のセリフ
「おれにはまだ五体がそろってるぞ
きさまはうすぎたない つぎはぎのからだだ
できそこないのドブネズミめっ」
→「うすよごれてやたらに牙をむく
それがノライヌでなくて なんだ
それともドブネズミか」

コミックスの方がきれいにまとまってますね。
元の方も、劣等感強いっぽくて多宝丸のキャラ押し出すみたいな感じがいいけど。

しかし、鼠って考えてみると、四十八の魔物に生け贄条件を提示された時も鼠の仔を代用だったから、何か意味深なようなって......今更気づいた、でも考え過ぎか〜。

たほきつ.jpg
毎度脱力し過ぎだな...

・きつねにテレパシーで多宝丸が弟だと教えられた後の百鬼丸のコマ。
「き...... きさま!! 
それをおれにきかせて 力をぬかせようってのかっ!?」
→「弟だと...... こいつが......」

どっちもありだけれど、コミックスは随分素直になっちゃったかな。

・多宝丸のコマでは、
「多宝丸 いまだ!! やつを刺せ」
→「いまだ!!」

きつねに操られている?

・多宝丸絶命の直前の百鬼丸
「話しあいたかったなあ!!」
→「話しあいたかったぜ...」

同じ無念と悲しみにしろ、外に向かってるのと内に向かってるのではイメージ違う。
初出は諦めきれないかんがあるのに対し、コミックス版は諦めてちょっと冷たい感じも受ける。

あにきはまだそんなに達観して醒めて欲しくないという個人的な希望もあるし(笑)、キャラ的に心情の中に子供な部分を残していると見て、初出に1票!
ちょっと熱くて、スマートとは言えない言い回しだけれどもね。
語尾だけでこんなに違う...というのは、自分の実体験でよく迷いに迷ってるんだとかなんとか~、爆笑。


◇他にもあったけれど細かすぎるから書かなかった事、
よく見ないと気づかないくらいの顔の直しが稀にある。
明らかに、この顔は描いた時に眠かったの?とか時間切れ?みたいなの以外にも。
つまり、気に入らなかったのでしょう。

が、横たわる多宝丸の前で「どぎつねめーー」という百鬼丸の顔は修正しない方が気合い入ってたと思うな。

...こんなん、誰が気にするん、苦笑。


ばんもんのエピソードって、ドラマチックで狐戦の怪しさが黒くて、何度読んでも心が沸き立つわ~!とか、思いながら、今回は終了☆

それにしても、私が書くとどうしても変なつっこみになるよね、苦笑。
いよいよ「ばんもん」!

ばんも2.jpg

◆ばんもんの巻 1~5

◇カットや編集された扉絵

・"ばんもん1"
見開きトビラ、どろろのアップと累々と積まれた骸骨の後ろに立っているばんもんは、ほぼ構図一緒でどろろとタイトルと骸骨無しになりコミックスには収録。

ここのコピー(?)
「そそりたつ巨大な板べい!!
 風にさらされたガイコツの山!!
 ふたりをとりまくぶきみな、死のにおい!!」
なかなか良いですね。

・"ばんもん2" ロゴのみ。
・"ばんもん3" ロゴのみ。

・"ばんもん4" ロゴの下に、水面からぬっと突き上げられている手首から上のアップ。
ホラー調!

・"ばんもん5" ロゴのみ。


◇セリフの変更

・ばんもんに到着時のどろろ
「少年サンデーの立てカンバン」
→コミックス「くすりのカンバン」
なるほど〜!でした。

・どろろが刀を欲しい理由の説明
「おいらァな こんなフロウジだ まともにくらそうったって...
 親もねえし みよりもねえし だれもかまちゃくれねえよ」
「とすりゃあ 世の中をいばってくらしてくにゃ 金と力だけだろ」
→修正(コミックス版)は省略。

"浮浪児"と自分で名乗ったり、表現がどろろのキャラとしてはきつ過ぎだから?

・そのほか当然、「こじき」や「キチガイ」は差し替えられてます。


◇カットされた頁

・夜が明けた後の醍醐景光登場シーンの、"ばんもん2"の冒頭が丸1頁!

まず、あらすじ、ここに板壁から様子を窺っている二人のカット(絵)が。

それでこれはやはり入れて欲しかったシーンで、この後の処刑がなぜ行われたかの説明が以下のようになされている。

捕らえられた朝倉の患者が、同じく捕らえられた百姓夫婦に粥を馳走になっただけだからと、その夫婦の命乞いをしている。
それから、夫婦は子に別れをと頼む。
しかし、無碍に却下する景光。

...あった方が、話にコシが出て良かったのにねぇ。
 

・百鬼丸の生い立ちを景光が知るシーンの途中で、百鬼丸誕生〜たらいで流すまでの景光の回想(セリフ無し)が丸1頁。

...何でぇ? これもあった方が絶対にいいのに〜!
無くても話は充分解るけれども、より重厚になるような所を切るのはどうしてなの? 手塚先生、涙。


・"ばんもん4"九尾のきつねの出現シーンも丸1頁。
連載の号と号の境は割と切られているけれども、これもそう。
あにきが「18番目の妖怪」とか、あのでかい顔に余裕かましていて、なかなかキャラ性を際立たせているのにねー!


・助六と脱出の所の、見つかって助六を逃がそうと兵にかかって行くどろろのコマが別のコマと差し変わり、切り貼りで編集している。

ばんもん4と5をまたいでいるシーンなので、前回からのつなぎをフォローするという趣旨から、テンポがもたついたとお考えなのか?

頁の辻褄を合わせる為、どろろ必殺技「ギャアアア」の大きさをを詰めてある。
更に、矢が刺さって痛がっているコマがカットされている。
もがきながら
「いてえ...... いてえやい ......いてて... 
......あにき ......あにきよう..................」
と、何やかんや言ったって百鬼丸にに助けを求めてるのにぃ。

これも切らない方が良かったのになぁ!
それから流れの点でも、ちょっと中間飛び過ぎと感じたのはこのコマが無いせいだったのだな。


◇欄外
・"ばんもん4"ラスト、助六と脱出図る所で次号に続くになったんだけれどここの
「あっ 助六をかばったどろろが、兵隊につかまりそうだ!!
 がんばれどろろ、もっとかみつけ!!」
コミックスでカットされてるひとコマ(この号の最終コマ)で、どろろが確かに兵の腕に噛み付いてんですけどね〜。
笑。


大幅な変更は無いものの、手塚先生の改変技があちこちに...でした。
あ...今回つっこみ大した事無いし、笑。

二巻の始まりの口絵は、完全復刻ならではのお楽しみでした♪
じゃ、延々と妙なつっこみで、本編!

「無残貼」の続きなんだけれど、この回はどろろ特集で32頁掲載!
(人気あったって事だよね~。
なのになんで、連載半ばで終わったのだ!?)

◆無残貼の巻 3〜6

◇カットされた扉絵と頁

・"無残貼3"
冒頭、一見表紙みたいな雰囲気で1頁使って百鬼丸のアップと、曼珠沙華を見つめるどろろ。
これも何でカットしちゃったのさ~、ぶつくさ。

そこに
「からだじゅう つくりものだらけという少年剣士と 
ダニのように世間からきらわれている こそどろ少年とが 旅をつづけていた」
「ひとりを百鬼丸 ひとりをどろろといった」
...という解説が入っている。
良い文じゃないですかー!

これに続き、無残貼のこれまでの話、要するにどろろの生い立ちが他に二頁続いている。

これの次でやっと見開きトビラ。
どろろのどでかいロゴの周りに葉っぱが散っているだけという何とも大胆な絵。
どろろのトビラは、割とこのロゴがででーんというのが多いけどね、笑。
そういうのだと、アシスタントさんに任せられるから...なのだろうか!?

以上、五頁分コミックスには無い、涙。
あとは、差別用語が出てくる程度でさして変更は無く、過去話終わり。
連載当時は、32頁でがっつりという感じだったんだろうなー。

・"無残貼 4"
刀を持って
「そこの人 死んでもらうぞ」
と、決め(?)台詞言っている田之介(割と大きな全身)と、びっくりしているどろろの見開きトビラが入っている。

コミックスでは田之介さんと似蛭が出てくるエピソードは「妖刀の巻」になっているんだけれど、これが元はまだ「無残貼」だった。
確かに無惨な話だもんね。
でも「妖刀」の方が確かによい。

・"無残貼5" タイトルロゴと刀身のアップ
・"無残貼6" タイトルのみ


◇無残貼4〜6はちょっとだけセリフが変わった程度。

・差別用語で、田之介に向かって「キチガイ」だの言っている。

・兄を殺されたお須志が百鬼丸をなじるところ。
「おばけ 人でなし!(描き文字)」
→「ひどい人! 人殺し!!(写植)」
さすがに"おばけ"はあんまりだという事かな?


◆コミックス版での掲載順序の変更と修正

なんか混乱しそうだけれど、サンデーコミックス版では......。

無残貼6のラスト、どろろが水浴びを嫌がり百鬼丸に石を投げるシーンの後に描き足しで、
『橋が壊れどろろが川に落ち、そのまま百鬼丸がイレズミを見つける~どろろの回想~琵琶法師が百鬼丸を諭す』
...というシーンになっている。

コミックス限定の描き足しは
『橋が壊れてどろろが川に落ちる』頁。

でも文庫などだと、イレズミ発覚の下りはちゃんと「白面不動」の後なんだよね。
他の箇所でも、セリフなどコミックス類だけでも微妙に違うし、ほんとにヴァージョン違いあり過ぎよ~汗。
ついでにサンデー版は、この次に鯖目の巻が来るし。
これらは大き過ぎるから、どこかで読んで知っていたけど...。


「あんがいかわいいなあ」って、一体どんな顔想像してたんだよ?といつも思いまー、笑。
じごくの....jpg
ミサワ読んだ事ないけど。

さて、どろろ宝箱の続き、やっと二巻突入~♪

宝箱二巻!.jpg


◆2巻
少年サンデー 1967年12月10日号~1968年3月24日号

◇表紙、サンデーコミックス(フィルター処理有り)と並べてみた☆
でもこの表紙のメインのカラーは、冒険王版の。

takara2.jpg


◇折り込みで二色カラーの口絵が付いてる!
1968年1月7・14日号(「ばんもん ①」の回)。

昔のまんがは雑誌掲載時に、フルカラーではなく二色カラー(黒または濃紺と朱色の二色の濃淡で表現している)とかよくあった。
最近はほぼ見かけないけど、あれなかなか味があって良かったよな~。
遠い目...。
どろろももっとあるのかと思っていたけれど、これだけだった。
しかしこの折り込み、開きにくくて最初乱丁かと思ったし、苦笑。

・口絵1「特別大画報 どろろ妖怪屋敷」
寿海宅で布団から様子を窺う寿海と百鬼丸、それを取り囲んでいる妖怪たち。
構図は本編回想シーンのコマとほぼ一緒。

昔の絵師が描いた「百鬼夜行図」などを参考にしているらしく、その妖怪らのタッチに合わせて二人も描かれている。
劇画調で、明らかに本編とは雰囲気が違うよ~。
細かいところ、色の塗り残しがある、苦笑。
(二色カラーの場合は、塗りは版下屋さんがやっているかもしれない)

・口絵2「どろろ百鬼」
やはり割と劇画タッチの百鬼丸と色んな妖怪。
かなりの横長版。
裏は「手塚マンガのひみつ」と銘打った、手塚先生の生い立ちやこどもの頃のマンガなど、手塚先生特集。

妖怪は、"水かけ女"が美女だよん。
あと"雷火犬"というのは、アニメ版のみに確か出てきた。
15体居るけれども、結局は「ぬえの巻」の頭に出てくる亡霊"三河島婆"のみが本編に出演。
イラストとしての面白みを狙ったからかも?
...そういえば、どろろとつくのにどろろは居ないわ、このイラスト。

で、絵の外に「どろろ大人気の秘密を公開」という解説が載っている。
これ(原文のまま)↓

百鬼丸とどろろは、戦国時代に生きている。
でも、手塚先生はこの二人の少年が、第二次世界大戦で破れた、日本で活躍している気もちで『どろろ』をかかれている。
そういえば「どろろは戦争で、両親をうしなった孤児、百鬼丸は、からだじゅうに大ケガを受けた少年だ!!」と気づく人もいるでしょう。
戦争でキズついたふたりが、手をしっかりにぎって、強く正しく生きていく姿!!
手塚先生は、それをかきたかったのだ。
どろろは、戦国時代のまんがだが、でてくる妖怪は、戦後の日本でおこった色々な事件や人がモデルだ。


編集が書かれたものだろうけれど、戦後イメージというのはどこかで読んだ事があったから、ここではっきり書かれていて再確認!
うーん、そうか、戦争を知らない子供(かつて、笑)たちだから、当時をリアルに理解など到底出来ないけれども、そういう視点からまた見ていくと成る程ーと思うな。
終戦後、あんなふたりが居てもおかしくないよ。
...何となくきゅんとする。
でも蛍の墓(観てないけど)にはぜぇっったいにならない!

しかしそれはいいとして、お気づきだろうけれど、これ書いた人ちゃんと読んでんの?本編。
勝手に話作ってるし、笑。

それから、「ふたりが、手をしっかりにぎって」。
テーマは、簡素に文にしちゃうと奥ゆかしさが無くなるわ、笑。
ま、非常に美味しい部分で、編集も単純にそういうものを求めていたんだろうなぁ。
でも、「強く」はいいとして「正しく生きて」は多少無理がある...手塚作品にそれは求められんでしょう~。
編集側の理想を書いちゃったとしか思えん、苦笑。

あと、ここでどろろを少年と表記で、ネタバレはしてない。
編集も単に知らなかっただけかもだけれど。

「でてくる妖怪は、戦後の日本でおこった色々な事件や人がモデル」
って、具体的にどの辺り???
「ばんもん」が朝鮮戦争(日本じゃないし)、程度くらいしか判んないよ~。
人面瘡出来た人とか、サメフェチな少年とか居たの?
万代が騙している構造なんかは、実際の詐欺事件でありそうだと思うけど。
知ってる人居たら教えてっ!


◆about◆
内容のすばらしさに敬意を表しつつ、既刊コミックス類と無用とも言える比較検討つっこみを雑に展開させています。
このトレジャーボックス無くして、どろろの真の姿は味わい尽くせない!!!



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管理人:もももり