◆about◆
内容のすばらしさに敬意を表しつつ、既刊コミックス類と無用とも言える比較検討つっこみを雑に展開させています。
このトレジャーボックス無くして、どろろの真の姿は味わい尽くせない!!!



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管理人:もももり



#21 三巻"無情岬"1。

サンデー版クライマックス"無情岬の巻"いよいよ(というより「やっと」)開幕!!!
単行本版無情岬エピソードは確かに無情岬に違いないけど、初出を読んでしまったら"さび抜き"しちゃったね...という感が拭いきれないのは、私だけ?

◆無情岬の巻 1

◇カットされているトビラ
・"無情岬" 1 タイトルロゴと疾走する馬の脚。
単行本では、どろろをさらっていく野盗達の頁の一コマ目に似た雰囲気で流用している。

無情岬の巻の1と2、単行本では不知火とサメが出て来る為か"2匹のサメ"となっている。

◇編集カットされているシーン、セリフの変更

・前回からのあらすじがあったが、それと差し替えで上記した表紙と同じような感じのコマが入っている。

・地獄変の始まりで書いているけれど、イタチ初登場~百鬼丸との乱闘シーンを単行本ではこの頭に持ってきてある。
初出では、地獄変の終わりに再び登場したイタチがどろろをさらいその次からがこの無情岬の巻。
単行本は、やっぱりショートカット......。
残念!

・上記のように初登場のタイミングの違いからイタチがどろろを追ってきた理由説明の仕方が変わるのもあってか、白骨岬に関してとどろろを尋問(?)するセリフも少々変わっている。

イタチ「うそなもんか!!」
「だから おれたちにおしえずに こっそりおまえの背中なんかに かきこんだんだぜ」

中略

イ「おまえのおやじはな どうしうようもねえゴロツキだ」
「夜盗の風上にも おけねえやつだ」
ど「やかましい!!」
イ「その上『農民のためにたたかう』なんて キザっぽい口をききやがってよ」
ど「こ‥このやろーッ」(描き文字)
い「おこれ おこれ もっとカーッとなれ!!」
(改頁)
ど「そうか......」
おいらをおこらせて 背中の図面をうき出させるつもりなんだな!!
「ウ...... がまん‥‥ がまん‥‥」
イ「こいつ かんづきやがったな」
「へ 火袋は死にぞこないのヨイヨイだぜ それにおふくろも ザンパンをあさってあるく こじき女になりさがりやがった」
ど「きこえない!!」
「きこえないよーっ」
この頁、コマの順番も巧く変わっている。
背中のアップのあるコマがいちばん上だった。(「そうか......」と気づいたところ)
いつもながら、よくこんなに巧妙に編集してあるなぁと、さすがなんだけれども。

自ら岩に突っ込んでどろろが気絶。
イ「おれのわるぐちを きこえなくしちまった......あきれたこぞう だ......」
「まあ いい」
「図面の半分はもう うつしとってあるんだ」
「それにしても」
「おまえの気性にゃ 感心させられたぜ......」
「おやじそっくりな ごうじょうさもあるしなあ」
「おれは おまえがすきになって きたぜ......」

このシーン、元はイタチの挑発に乗ってカーッとなるのを自分で抑えるというのがオドロキ!
単行本では、単刀直入に図面の事を訊かれ、イレズミをした母を恨むような事言ってるのに。
しかも、突然走り出して頭ぶつけて、イタチにそそっかしい言われて......。

私は、当然初出の方が男らしく(笑)てかっこいいと思うんだけどな。
更に、イタチのセリフも単行本では子供扱いっぽいのに対して、ちょっと尊敬の念とかさすが火袋の子だというニュアンスがある。
多分イタチは、離反はしたけれども火袋の事は好きだったに違いない。
......もーほーじゃないけどね。
絵的にあの二人ではアクが強すぎる......汗。
爆、笑。

かわいいと言われるのと、どっちがいいのだろう?
イタチさん、よう1.jpg

・白骨岬に行くために連れて来られる漁師達の設定が実は......。

漁師の老人「あの島にはな おらたちの だいじにまもってるものがあるでな」
「おらは その島守りをかねてるだ......」
イ「わかった 黄金だろう」
老人「そのとおりだ 火袋さまがうめなすった」
野盗「やい じじい きさま火袋の手の者か?」
老人「ちがうだ ただのりょうしだ 
おらたちまずしい者のために あの黄金をのこしただ
時期がくるまで手をふれちゃなんねえ」
野盗「時期? いつだと?」
漁師息子「んだ......おらたちが領主さ たおすためたちあがるときだ」
イ「よせ そんな時はいつまでまたってこねえ」
「領主さまの醍醐景光さまには きさまたちみたいなザコがどんなに集まったって 手出しできるもんか」

設定をより細かに描いているところなんで、カットせずに引用。
親の代の事がこんな風に現れていたという、物語の骨格に神経がより細かく無駄無く埋め込まれていた...のに。
火袋の遺したものとか、醍醐がここまで絡んで何か凄い事になりそうと予感させるところとか、どこへ行っちゃったの......。


おおお...と、もやもやしたところで続く!